早稲田大学スキー部: 2008年5月アーカイブ
5月から本格的なトレーニングが始まり、今は、今季のトレーニングの「導入」を選手各自がどこまでできているかウォッチ
しています。
監督として、今の時期の「トレーニングの導入期」を気にしています。
とりわけ、早稲田の選任監督になってからは、スキー部員の競技力向上に学内の指導力や施設などを活用するように
意識しています。以前は、自分たちの力や外部機関など、知り得るネットワークを駆使して競技力向上に反映させてき
ました。
早稲田には、競技力向上に資する「ハード」と「ソフト」がたくさんあるにもかかわらず、スキー部が活用しきれていないこと
に私としてはジレンマを感じていたというのが実際のところです。そのため、大変僭越ながら、大学に対しても早稲田の
学内で組織的に競技力向上に資する動きをしてほしいと、要請をしたこともありました。
早稲田に来てから、従来、実行したかったけどできなかったジレンマ、あるいは、学内にいるからこそできることを整理
して少しずつ強化の環境を整備してきました。
運動生理・アスレティックトレーニング・バイオメカニクス・メディシン(内科)・メディシン(外科)・身体機能などの面で、少し
ずつですが、先生方と打合せや調整を行うことにより、先生方もサポートしてくださるようになり、それに伴いタイムリーに
競技力向上に資するトレーニングに反映する取組が行えるようになってきたと思います。
実際、昨シーズンも学内でサポートを受けた選手が、トレーニングと競技実績との関わりを強く意識する(主観的に)ことが
でき、またひとつ実績ができた経緯もあります。
具体的には、新入生は基礎体力づくりが不十分のままシーズンインし、結果を残すことも少なくシーズンを終えるということ
をよく耳にします。実際早稲田でもそのようなことが散見されます。
したがって、新年度のトレーニング導入期には、「多様な関節を動かす」「ベーストレーニングを行う」「体幹を強化する」など、
この時期に押さえるべきトレーニングを十分行うようにしています。これらは、1つ1つ正確な動きをしつつ動作を確認しな
がらトレーニングすることが求められます。特に、1・2年生の下級生は耳知識としては多くのことを吸収していますが、
正しい理論・正しいフォームという点では脆弱です。
そのため、上記トレーニングのうち、「コーディネーション」「ウェイトトレーニング」「ウォームアップ」などは学内の先生の協力
を仰ぎ、スキー部員を個別にサポートしてもらうように働きかけをしました。今年は3人の先生にサポートしていただくことに
なり、『関節可動域向上・体幹強化・上体筋力強化(肩・後背筋等)・バランス・アジリティなど導入時にサポートを受けること
により、それが競技にどのようにつながるか?を理解しながら正しい動き・フォームを身につける』ことを実行しています。
そして、その後、徐々に選手がトレーニング方法をマスターし、少しずつ自立してトレーニングを行えるようになってくれれば
いいと思っています。
間違ってはいけないことは、ウェイトトレーニングと言っても、単に大きな筋肉をつけるだけではないと
いうことです。
また、高所トレーニング(Living-high&Training-low)
は、早稲田が過去6〜7年前から毎年実施している
コア・トレーニングの一つですが、これについても
生理学の先生(生理学の世界ではかなり権威の
ある方)にチェックを受けています。
それにより、我々が行っていることが間違っていな
かったことを裏づけしてもらい、指導やアセスメントを
頂戴したりしています。
もちろん、今年も積極的に計画しています。
これらは、一つの事例です。
こういったことを計画・実行する中で、選手の週間
トレーニングは、これら学内でサポートを受けるトレ
ーニングと、種目別集団トレーニング(競う練習)
で、週7日のうち5日のトレーニングメニューが
早稲田のトレーニングとして固定されます。
結果として、選手個々のトレーニングは残りの2日
に当てることになります。
しかしながら、本当に強くなりたいと気持ちの高い選手は、その他の時間を上手に使い、人が見ていないところで
「勝つための」・「負けない」トレーニングをしています。 当然のことながら、それは、選手の意識の高さにより個人差が
ありますが、選手は現状に安住せず、常に「前へ前へ」向かってほしいと思いますし、向かわねばなりません。
早稲田で結果を残した多くの選手が皆そうであったように。。。
選手全員がそのような姿勢でトレーニングするために、選手のモチベーション向上と競技力向上に資する一層の環境整備
を積極的に実行していきたいと思います。
種目別にコーチとのすり合わせを4月に実施し、同時に、課題分析シートを用いて昨シーズンを振り返り、課題と対策を
選手自身で自己分析しました。
その後、各コーチと選手間のミーティングも終え、おおよそのトレーニング計画ができました。
今は、各自がそれを実行に移し動き出したところです。
いつも思うことですが、選手は、昨シーズンの良かった点・悪かった点
はすぐに言えるのですが、「なぜそうだったのか?」「それはなぜか?」と
いった踏み込みが足りない選手が散見されます。
とりわけ、悪かった反省点よりも良かった点を十分自己分析することが
重要だと思います。
「なぜ?を5回繰り返す」・・・これはトヨタ自動車の業務改善でよく行われ
ることですが、いわゆるトヨタ生産方式にあるように、なぜそうだったのか
を掘り下げることにより、良かった理由も不足している課題もより一層
明確になります。
←(写真)5月17日、部門別トレーニング+全体練習
トレーニング計画は、「シーズンまでの大きなトレーニングの流れ」〜「2〜3ヶ月ごとの柱となるトレーニング」〜「当月の
トレーニング」〜「週間トレーニング」といったように目指すべきところから遡ってブレイクダウンして決定していきます。
ただし、週間トレーニングのヤマを週末に設定し、土日は集団練習、かつ、平日の2日間も夕方から集団練習(もしくは複数
での練習)といったように、1週間7日のうち4日を競う練習にしています。
『競争原理の働くトレーニング』を基本として組んでいます。
意図するところは、「競争力のあるチームづくり」であり「競り負けない競技力の向上」です。
そして、最後にモノを言うのは、科学的に裏づけされたトレーニングだけではなく、選手自身の「勝ちたい」「負けたくない」
という強い気持ち、泥臭い根性、やりきった自信などに起因するはずです。
試合で「勝つこと」が本質です。