早稲田大学コーチサミット
冬季国体から帰京後の 3月6日(土)、「第3回早稲田大学コーチサミット」が開催されました。
これは、体育各部の監督・コーチなど指導者の資質向上を狙いとして昨年度から実施されているものです。
大学からの指名で、私も講師として拙い話をさせていただきました。
今回の大テーマは、『強化に役立つ医科学・情報の活用方法』。
プログラム : 第03回コーチサミット02プログラム.doc
私の講演の内容 :
テーマ: 「競技力向上に資する仕掛けづくり」 − 現場の気づきと医科学・情報の活用 −
<骨子> 1.スキーの競技特性
2.トレーニングとピリオダイゼーション
3.監督として考えたこと
4.現場での気づきと着手したこと
5.強化のための環境づくり - 5つの取組み事例 -
6.効果検証 - トップ選手の伸びと底上げ -
1)指導態勢
2)トレーニング・リコニンディショニングの枠組みづくり
3)トレーニング拠点づくり(国内)
4)海外トレーニング拠点との提携
5)社会人チームとの合同合宿
6)高所トレーニング
といった観点で、医科学・情報領域と関連させて話をさせていただきました。
その上で、選手が強くなるための環境づくりは、効率的な環境やトレーニングだけでなく、「地を這う取組み」・「根性」と
いったファクターもはずせないという点にも言及しました。
そして、大学、とりわけ、スポーツ科学部の「研究」と「現場」の連携が進展することに期待して結びとしました。
当日は、指導者(監督・コーチ)やスポーツ科学部の先生方 約100名ほどの参加者でしたが、1時間強に及ぶ講演を
皆さん真剣に聞いていただき、かなり緊張しました。
いくつかの質問も受けましたが、指導者の皆さんが同じような課題・悩みを持ち、それぞれの分野で対策を考えられて
いることがよくわかりました。逆に私としても、話をさせていただいたことで勉強になり、参加された皆さんから力をいただ
いたような気がします。
後で、参加者アンケートを拝見しましたが、皆さんが前向きにとらえていただいたようでよかったです。
共通の問題意識・課題を持つ指導者がヨコの連携を強めることにより、コーチサミットがより具体的に かつ 風通しよく
拡大することを願っています。
概要は、早稲田スポーツ新聞WEBにも掲載されています。 → http://www.wasedasports.com/ski/100307.php
早稲田スポーツのますますの発展を祈念しながら・・・我々もシーズン終盤に臨みます。
当初の志に向かって走っているか?
早稲田からオリンピックに3選手が出場しました。
3選手は、その本質をわかっているからこそ世界で戦えているのではないでしょうか。
オリンピックで戦う選手がいる傍ら、国内でも早稲田の選手は戦っています。
オリンピック開催中でも、ジャンプ・コンバインド・クロスカントリーそれぞれ全日本選手権・アルペンのFIS公認大会・
冬季国体など大会続きです。
それらの試合をみる限り、残念に思う時があります。
インカレ以降の試合を冷静にみればみるほど、そこそこに甘んじたレース内容にとどまっている選手が散見されます。
基本的には勝負に拘り結果を求めることが大事ですが、結果だけを語るのではなく、次につながるレース内容か否かと
いう視点での話です。
勝利と執念と無念さと・・・
今年のインカレは、真に男女総合優勝を狙いに行きました。
男子はネガティブ要因を払拭して選手がパフォーマンスを出し切り
2連覇を成し遂げました。
一方、女子はピーキングしてきた選手とピーキングできなかった選手
の二極化が解消できず、つかみかけた優勝を手放してしまい無念さが
大きく残りました。
勝負の世界なので、結果として、「勝った者が強く、負けた者が弱かった」となりますが、今の4年生が在籍中に男女
アベック優勝したかったです。悔しいのひと言しかありません。
とはいえ、主役は選手。 プラス要因・マイナス要因を分析して、この後の試合に反映していきたいと思います。
全員スキー
明日から、インカレが開幕します。 選手には、「いつも通りいこう」と伝えました。
しいて言えば、この大会のキーワードは 『自然体』 。
しっかりパフォーマンスを出すことだけに集中すれば、結果は後からついてくると信じています。
そして、インカレは部員全員で戦う大会。
出場する選手・出場できない選手・マネジャーが、それぞれの役割を果たしチームを盛り上げる。
部員には各々の想いもあるはずですが、チームのために一枚岩にならないとNGです。
インカレは、部員全員が主役です。
選手がパフォーマンスを出し切れるようサポート体制も考えました。
コーチ陣やサポートしてくれる若手OB・トレーナーさん・マッサージさんなどもしっかり選手を支えてくれています。
また、大会前日の今日(10日)、卒業生の成瀬野生さん・藤田紘基さん・角田あずささんが激励に来てくれました。
私自身、とてもうれしかったですし、選手も心強かったと思います。
明日からも多くの先輩方が応援に来てくれるようです。
周囲の応援を力に変えて、選手には是非、自分らしいレースをしてもらいたい。
自分を、仲間を信じて・・・やるしかありません。
どうぞ応援のほどよろしくお願いします。
謹賀新年
新年のご挨拶を申しあげます。
昨年中は、あたたかく見守っていただきありがとうございました。 おかげさまで選手は、心身ともに少しずつ成長して
きました。 本年も何卒お導きいただきたくお願い申しあげます。
いよいよ、インカレまで1週間となりました。
早稲田は、直前合宿組とレース参戦組に分かれてインカレに向かっています。
インカレのスローガンは 「自然体」
いろいろと思うところはありますが、選手には 「自然体でやってこい」 と伝えるつもりです。
選手一人ひとりが最大パフォーマンスを出せれば、結果は後からついてくるはずです。
今年は、私も選手・スタッフと一緒に早稲田宿舎に入ります。
スタッフの総力をあげて選手のサポートをし、選手にのびのび戦ってほしいと思います。
と言いながら、最も緊張しているのは監督なのかもしれません。。。
急がば回れ
09−10シーズンが始まりました。
12月の国内緒戦で、シーズンの入りが良かった選手、そうでない選手、それぞれありました。
そして、渡部のように早々にバンクーバー五輪に内定した選手もいました。
ケガを克服してシーズンを迎えた選手
万全にシーズンを迎えた選手
4年に1度の大きなチャンスを迎えた選手
不安を抱えたままシーズンインした選手 など
選手たちは、それぞれの想いでシーズンを迎えたはずです。
12月の国内緒戦でパフォーマンスを発揮しきれない選手は、心情としては苦しいと思いますが、
先は長く、それだけですべてが決まったわけではありません。
負けたことは、受け止めるしかありません。
サボらず諦めずコツコツ努力してきた自負があれば・・・それは、神様がそうさせたと思った方がいい。
自分がやってきたことを信じることができるのであれば、それは、
『 Necessary Loss 』 = 次に向かうための必然の負け/勝つために避けて通れない敗北
日本語的に言うのであれば、
『急がば回れ』 『必要は発明の母』 Necessity is the mother of invention とでも言うのでしょうか。
早稲田の選手には、シーズン序盤に失敗しても。。。
気持ちを切り替えて、自分を信じて努力し続けてほしい。 必ず次につながるはずです。
2010年、個人もチームも、良い年になるように!
12月6日、卒業生の小泉太郎くん (2004年卒業)が結婚しました。
私は披露宴に出席してきましたが、手作り感満載の温かな結婚式で、彼の挨拶に目頭が熱くなりました。
前日の雨と寒さがうそのように晴れ渡り、小春日和の陽気で、
庭園での記念写真もきれいに撮れました。
太郎(昔のようにあえて太郎と呼ばせてもらいます) の ちょっと
にやけた、くったくのない笑顔が印象的で、そして、新婦由佳さんも
とてもきれいでした。
← (写真) 新郎 小泉太郎くん、新婦 由佳さん。
左から、 薄井智行くん (2005年卒業)
上村大明くん (2003年卒業)
太郎
由佳さん
桑原和幸くん (2003年卒業)
日野水 挙 くん (2005年卒業)
倉田
奥井 迪 さん (2004年卒業)も出席していました。
”思い出は美しすぎて” という歌もありましたが(古い!)、本当にそんな感じがしました。
披露宴では、「稲門スキー倶楽部」と「スキー部現役部員一同」からの祝電が読まれたことを記しておきます。
太郎、本当におめでとう! 奥さんを、家庭を大事にしよう!
一期一会 〜出会いと感謝〜
今年の11月は、海外遠征に行かなかったため数年ぶりに日本にいましたが、大学関係の行事が多いことに驚き
ました。 例年、参加していなかったため、ほとんどの行事に参加させていただきました。
参加して思ったこと。
それは、人との出会いは大切だということです。 我々の年代になると、とかく、忙しさにかまけて不義理してしまう
こともままあろうかと思います。人と会って話をすると、相手が覚えていてくれたり、話をする中で吸収することが
多かったりと、自分にとっての肥やしとなり、財産となるであろう局面が多くあります。
日ごろ、学生には口うるさく言っていますが、ふと、自分が不義理していたことに気づき赤面の思いです。
そのひとつに、早稲田大学エグゼクティブ・フォーラム がありました。
体育各部をはじめ大学に支援していただいている方々をセミナーや懇親会にお招きして、関係者と直接会話する
という試みです。
我々は迎える側として感謝の意を表しながら話をしていましたが、初対面の方から、「スキー部頑張れよ」とか
「住まいが雪国だから新聞楽しみにしているぞ」など、応援のお言葉をいただき、びっくりしてただただ感激しました。
身内やスキー関係者だけでなく、早稲田というつながりで、地方から陰ながら応援していただいている稲門の先輩方
がこれだけおられることは、本当にありがたいことです。
奥島前総長とも話をさせていただく機会がありました。
本質を見極めた内容、人をひきつける話し方など、圧倒
されまくりました。
また、スポーツ現場での組織のあり方・マネジメントに
ついても議論させていただき、なるほどとメモをとらせて
いただいた次第です。
← 写真は、その時に撮っていただいたものです。
左から、競走部 渡辺駅伝監督、テレ朝 下平アナ、
奥島前総長、倉田。
駅伝の渡辺監督とは、よく話をしますが、彼はどちらかというと直感型で長嶋茂雄さんのようなタイプで、ブレーンと
なるスタッフとともに上手くチームづくりをしています。
全日本大学駅伝では4位でしたが、「箱根駅伝でやりますよ」と、さすが大物、おおらかに笑っていました。
皆で応援して、その勢いをスキー部にもつないでもらいたいと思います。
もう1つ、出会いがありました。
これは、卒業以来といってもいいほど会えていなかったメンバーです。
大学でゼミの行事に参加した後、知る人ぞ知る「源兵衛」に繰り出したところ、バッタリ野球部の同期に会いました。
すでに飲んでいて、指導者の話に花が咲いていたところ
に、お邪魔して選手指導について語り合ってしまいました。
何年も会っていなかったのに普通に話ができる同期って
ありがたいですね。
← 左から、 阿久根くん(東京ガス勤務)、
野呂くん(桐光学園高校野球部監督)、
和泉くん(早実硬式野球部監督)、 倉田です。
昔の話に花が咲いたり、今の高校生・大学生との接し方など、みんな真剣に考えていましたが、強豪高の監督で
あってもひと昔前の監督さんとは異なり、選手の目線に合わせる努力を日々していることがわかりました。
こんな時は時間の経過が早く、早々に退散しましたが、これをきっかけにまた同期で会おうという話になりました。
一期一会というと構えすぎですが、「早稲田は卒業してからますます好きになる大学」と言われている如く、そこには
人と人のつながりがあってのことだとあらためて感じました。
不義理しないで、積極的に人と会話する機会をつくっていきたいと思いました。
自ら考えることのできる選手になるために・・・
日ごろから選手には、「自ら考えること」を説いています。そのために、勉強、とりわけ、知識の習得は大事なファクター。
知識があるから、そのトレーニングが技術につながり、冬に活きることを 理解・納得することができます。
もし、知識がなかりせば、ある程度はいけるものの、最後まで自分を信じてやりきることは厳しいかもしれません。
大学での学習、コーチを利用する、先輩に聞く、レベルの高い選手から盗む など、やり方はいろいろ。。。
そこにおのずと意識の差が生じます。 「意識の高い選手=考えることの出来る選手」 です。
考えることのできない選手(=意識の高くない選手)の多くは、過去のプライドが伸びしろを阻害しているケースが
多いと感じます。
プライドは持っていていいのですが、持っているプライドの50%は不要なプライドであることを理解して、謙虚に
勉強する姿勢を持ってがむしゃらに努力することが大事なのではないでしょうか。
今の早稲田では、
意識レベルの高い選手20%
意識を高めつつある選手30%
意識レベルが期待以下の選手50%
であると言っても過言ではないと思います。
1日でも早く自分の意識の低さに気づき、併せて、「選手としてのキャリアプラン」・「人生のキャリアプラン」をも考えられる
ようになってほしいと思っています。
指導者も勉強し続ける
選手に「自分で考えること」「意識を高く持つこと」を伝える以上、自分も努力し続けなければいけません。
かくいう私も、勉強すること・経験することによって日々いろいろなことを吸収し、監督業務の高度化を目指しています。
それ以上に、恥ずかしながら、選手によって自分も成長させてもらっているのが実態かもしれません。
監督として常々感じていること・・・
1. 「生理学」・「機能解剖学」・「栄養学」など基本を理解していないとトレーニングに反映しきれない。(当たり前ですが)
2.とりわけ、 監督は、「マネジメント」・「ガバナンス」・「危機管理」・「情報収集」など、経営的な能力も求められる。
例えて言うと、BCP※1のできる監督であるべき。
(※1)企業が災害による影響度を認識をし、発生時の事業継続を確実にするため、必要な対応策を策定すること、または策定した計画。
3. 「情報戦略」の重要性を理解していないと強化のための柔軟な発想が枯渇してしまう。
(過去にとらわれ過ぎて強化に向けた新たなコーディネートができない)
4. 選手との関係で、信頼性・共感性・論理性・具体性が求められる。
当たり前のことかもしれませんが、私自身も能力不足は否めず、なかなか当たり前のことができていません。
だからこそ、前を向いて 日々是勉強 になるのは必然だと感じます。
今年は、2年間に渡る折衝の末 海外トレーニング拠点との提携などを完遂し、
その後、夏季合宿以降は、メンタル面を考え始め、ピークパフォーマンス平本さんに相談しながら、メンタルトレーニングと
いう形でスキー部に導入しました。
メンタルトレーニング
夏の終わりに、メンタルトレーナーの平本さんと会う機会に恵まれた。
最初は心をニュートラルにして話を聞いていたが、そのうち、「なんか想像していたメンタルトレーニングと違うかな!?」と
感じるようになった。
自分が監督としてTRYする価値があると思ったし、「自分も自己革新をしなければ・・・」と思い、ギアがニュートラルから
DRIVEに入った。
自分が変るということは、選手へのアプローチも変るということ、そのメリットも大きいはず。
選手にもTRYさせたい、必ずプラスになるはずと思うようになり、選手向けにメンタルトレーニングをコーディネートした。
目的は、2つ。
(1) 自己コントロールの術を身につけることにより、パフォーマンスを発揮するための契機にする
(2) 卒業後の社会人キャリア、あるいは、引退後のセカンドキャリアを考える時、これを契機に
慌てふためくことなく自分の人生設計を考える契機にする
私がコーディネートした、このメンタルトレーニングの本質は、競技力向上と人間力向上を目指すところにあります。